これからの雇用統計は失業率推移に注目

先日発表された米国の雇用統計は非農業部門の就業者数が前月より14万8千人増と事前予想の約18万5千人増を下回り、昨年11月の25万2千人増から伸びが鈍化したことから一瞬ドル円も売られました。

12月の失業率は前月と同じ4・1%で、市場予想通りだったことから大きく下押しすることもなく、結局NY市場でドル円はなんとか111円台に留まって越週となりました。

さすがにこれだけ継続的に雇用が確保されている状況では20万を大きく超えるような数字が毎月でてくること自体が不思議であり、今後雇用統計はより非農業部門の就業者数から失業率や平均時給の伸びのほうに焦点が当たることになりそうです。

 

失業率が下落している間は米国株の暴落はない

これまでの相場の暴落から考えますと、米国の失業率が低下している間はまったくといっていいほど株式相場の暴落が起きないことがわかっています。

すでに4.1%という失業率は完全雇用を達成していますので、さらに下がり続けるかどうかが問題となりますが、これが5%方向に上がり始めると相場はかなりリスクが高まることになりそうで、これまでの雇用統計とは異なるインジケータとして利用できそうな状況です。

 

平均時給は今後とも大きく伸びない可能性

米国の賃金の上昇スピードを雇用統計で発表される平均時給だけで判断するのはなかなか難しいものがあります。

サービス業は今や慢性的な人手不足状態ではありますが、所詮パートの雇用レベルで、AIやロボットの導入で人がやるべき単純労働はかなりの部分が機械にとって代わられそうな時代に入っていますので、今後とも時給の伸びが期待できる状況にはないことが予想される状況です。

今やRPAの普及でホワイトカラーですら時給が簡単に上がらない世の中に突入してきていますので米国のこうした指標を受けた相場の動きというものも大きく変化しそうです。

インフレが進んでも所得が伸びないとなると債券金利も上昇しない可能性があり、なかなか微妙な状況です。

今年、市場は最大年3回程度のFRBの利上げを予想していますが、実際には2回にしかならないのではないかとの見方も強く、米国の10年債利回りはほとんど上昇しないままに2年債とのスプレッド差がついに50BPにまで落ち込む状態となっています。

果たしてこの先の金利の状況がどうなるのかがドル円の動きを大きく左右するだけに雇用統計も見どころが変わってくることになりそうです。

 

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