往生際の悪いメイ首相~新たな提案でポンドは乱高下

もはや退陣秒読み段階と思われたオワコン状態の英国の「メイ首相」が突然議会に対して新たな提案を持ち出してきて、相場は荒れています。

これまで絶対やらないとしてきた国民投票の再実施を口にするとともに、関税同盟でも譲歩するなどの発言をしており、議会承認を得るための採決が3回実施されたが、政党を超えた合意が得られなければ、英国はEUを離脱しないということが現実だと指摘して逆に揺さぶりをかける動きを見せ始めてきているのです。

23日から26日までEU加盟各国で実施されているEU議会選挙の行方が為替相場に影響を与えると考えていましたが、どうやらこのメイ首相の最後の悪あがきのおかげでポンドはまた大きく上下に振れる展開が続きそうです。

6月18日でBREXITの投票から3年余りの歳月が経過するわけですが、こんな稚拙でレベルの低い展開がぎりぎりまで続くとはだれも予想しなかったことになってきてしまっており、本当にどのように決着がつくのかがますますわからなくなってきている状況です。

正直なところ市場参加者全員がこの先どうなるかを見通せないわけですから、なかなか迂闊に手を出せない時間帯がまた到来してしまった感が否めません。

 

国民再投票で離脱反対となればBREXIT取りやめ?

今回のメイ首相の提案の中で最も興味深いのは「国民投票のやり直し」についてです。

個人的には日本人ならではの発想かもしれませんが、とっとと国民投票をやり直していれば離脱反対が爆発的に増えて結果的にEU離脱は回避できたのではないかと思うわけです。

しかし、それをやってこなかったのが英国の独特の民主主義の考え方で、一度結果がでたものを何度もほじくり返して再投票をやらないということでこの3年間貫きとうしてきたわけです。

最後の最後になって禁じ手ともいえる国民投票をこのタイミングで実施した場合、果たして結果はどうなるのかが非常に注目されるところです。

仮にここまでもめて既に相当ないデメリットを十分に理解した国民が再投票でそれでも圧倒的に離脱賛成ならもはや何も言うことはありません。

しかし、逆に反対多数となった場合にはこの3年間の政治的な動きを含めたあらゆる努力は何の足しにもならなかったことになり、むしろ失ったもののほうが大きい常態に一体だれが責任をとるのかが非常に注目されるところです。

本当に国民再投票で取りやめとなれば政治的には相当大きな問題に発展することが予想されます。

またさらに混乱が予想されるのは僅差で今度は反対が上回った場合で、相変わらず離脱賛成派も多くそれほど決定的な差がつかなかったときに政治は一体どう対応するかも大きな問題になりそうです。

既存の二政党を差し置いてBREXIT党への支持が高まっているとなると、実際国民投票をしてみたら結果は前回と同じという混沌状態に再突入することも十分に考えられそうです。

 

ポンドにはますます手が出しにくい状況に

いずれにしても一定の結果予測もたたないなかで闇雲に再投票をすることはかなり危険な賭けになりますし、その後の対応について政治が相当事前に策を練っておかないかぎりまた大きな混乱を招くだけのような気がしてなりません。

当然ポンドはドルに対しても円に対しても弱含む展開が考えられますが、もはやEU離脱回避となってもそれほど大きく買い戻されない可能性もありそうで、為替のことだけから今の英国の混乱ぶりを見ていますと、ポンドを買うにしても売るにしても相当なギャンブルになってしまいそうな嫌な予感がよぎります。

今年は相場を揺るがすであろうと事前に予測された政治的なイベントが必ずしも明確に為替相場の動きに現れないままの状態になっており、非常にやりにくい状態が続きますが、ここまで来てしまうとポンドの取引は迂闊に行えない気がしてなりません。

さらに状況がどうなるのかが確定したところで、はじめてエントリーしても利益を確保するには遅くないのかもしれないと強く感じる次第です。

 

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